今回六月のベストフォトに選ばせていただいたのは、この一枚が「女性の美しさと強さ、そして儚さ」をとても自然に、しかも洗練された形で表現されているからです。見た瞬間に、つい目を奪われてしまうような力を持つ、とても印象的なポートレートでした。

まず、特に素晴らしいと感じたのは「繊細なライティング（逆光・フレア）」です。逆光をあえて活かし、フレアが柔らかく被写体にかかることで、全体に透明感が生まれています。光の中に浮かび上がるような輪郭が、とても幻想的で、女性の肌の美しさや表情が一層引き立って見えました。

そして次に、「繊細で儚い表情」。少し伏し目がちで、そっと口元に触れるしぐさが、まるで何かを語りかけてくるようです。撮影のとき、カメラマンがきっと丁寧に雰囲気を作り、リラックスできる空気を演出して、この表情を引き出したのだと思います。

さらに「レース手袋と和装のコントラスト」も、この作品の魅力のひとつです。伝統的な着物にレースという洋のアイテムを組み合わせることで、よりモダンで個性的な世界観になっています。こうした小物使いが、モデルさんの個性や美しさをより際立たせています。

そして、この写真の一番の魅力は、「女性の強さとやわらかさの共存」にあります。やさしげで柔らかい雰囲気の中に、しっかりとした芯が見える。そんな二面性が、この写真に奥行きを与えています。「女性の美しい顔のアングル」を計算して捉えているのも、さすがだと思いました。

この写真は、ただきれいに撮るだけではなく、その人の内面まで映し出してくれる、そんな力があります。見れば見るほどに惹き込まれていく、完成度の高い一枚です。

もしこれを読まれている方の中で、「私らしい美しさを残してみたい」と思われた方がいらっしゃれば、ぜひ一度、カメラの前に立ってみてください。普段気づかなかったご自身の魅力に、きっと出会えると思います。

東山スタジオ
Photographer Tanaka