自然な子供写真を目指す
写真館にくるお客様に、イメージを聞くと自然な姿、自然体で残したいというご要望を沢山いただきます。
年々高まっている自然需要。
自然な写真が求められる背景には、今までの写真が不自然だった?ということなのでしょうか。
ただ自然ということばだけでは、あまりにも抽象的すぎて、それこそ難しい部分です。
写真から不自然な部分を無くしていけば、自然に近づいていくとは思うのですが、写真におけるその不自然な部分がどこかというのが難しいです。
自然というと、文字の意味からすると、人の手を加えていないものであったり、ありのままの姿ということになります。
写真が不自然であるとするのであれば、あまりにも人の手が加わっているように見えたり、本来の姿ではなく、どことなくぎこちなさが残ってしまうということでしょうかね。
そうは言っても、何も手を加えないで写真を撮れば綺麗に写らなかったり、逆に不自然に見えます。
難しいですね。
自然に見せるためにあまり手を加えないようにしないといけないのだけれども、ただそうは言っても、綺麗に写真を残すためには、何かしらの手を加えないといけない。そこが自然な写真を撮るためのいつもの課題です。
自然な子供写真のためのポーズ
写真でいうとすぐ思いつくのが、ポーズ。ただこれがやっぱり難しい。一番難しいんじゃないかなと思うほど。
スタジオで写真を撮る時に、何もしないで棒立ちの写真で撮影してもダメなので、ポーズをつけますが、そのポーズが簡単じゃないです。
モデルさんは自分でポーズをつけてくれるので、カメラマンはただシャッターを押せばいいですが、写真スタジオにくる方はプロのモデルじゃない。
カメラマン側から色々指示をしても、特に子供の場合というのは、言われた通りに体を動かすのは至難の技。なんとなくできるようなポーズをとってもらっても、どこかぎこちなさが残ったり、不自然に見えたりと…。
そんな難しい部分を解消してくれるのが、動作の途中を撮影すること。モデルのような決めたポーズもいいのですが、子供が自発的に遊び始めたり、動き始めたり、その動きの途中で一番良い瞬間を撮影するというのが自然な姿を残す方法です。
どうしても撮影に来た時は緊張もするので固くなってしまいがちですが、遊んでるような感覚で写真を撮ると、カメラ目線とは違った自然な写真が残せます。
Photo by Jun
ポイントは声かけ。ポーズをさせる指示というよりも、子供が自然に動いたり、遊び始めてくれるような声かけが何よりも重要。
声かけも、正解があるわけではなくて、子供によって様々。何が好きで、何に喜んで、限られた撮影時間の中で、一つずつ発見していくことが何よりも重要。
そういう意味では、自然な子供写真というのは、大人の写真よりも難しいかもです。
自然な子供写真のための光
光は写真の中で、何よりも重要で、写真を撮るいうのは光で絵を描くよなものです。光の雰囲気が変わってくるだけで写真の印象が全く違って見えます。
自然光から始まり、ストロボ、LED、など光の種類は沢山。どれを使えばいいという正解はなくて、目的や用途に合わせて使えていたらOKだと、個人的には思ってます。
ただこの表現したい目的に合わせて光を使うというのが結構難しい…、というか、やはり技術がいります。写真を始めて間もない頃は光が全く分からず写真を諦めかけた苦い思い出もあります。
子供の写真は自然光が人気だったりもします。自然に見える為に、自然の光を使うのは納得のいくところ。ただストロボなどの光を使ったとしても自然な光のように見せることはできるし、技術を持ったフォトグラファーの方も沢山います。
ただやはり技術がないと不自然な光になってしまうので写真の印象もどこか違和感が残ってしまうもの。そういう意味では自然光以外の光を自然に見せる技術があるカメラマンはさすがです。
写真を始めて間もないのであれば、写真のうちは自然光、太陽の光だけで色々撮影してみてもいいと思います。ただ自然な光を使えば、全てが綺麗に見えるわけでもないのでそこも難しさがあります。
写真を始めると、光という言葉をどのくらい使うのか分かりませんが、やっぱりそのくらい大切で、色々な教材が沢山あります。10年以上、光を扱ってますが、まだまだ分からないことの方が多いです。
少しだけ分かったことは、光は覚えることじゃなくて、何枚も何百枚も何千枚も何万枚も、遊び心を持って写真を撮ってくなかで、良い光のレパートリーというのが見つかってくるようです。
自然な子供写真には、自然光が良いというのはセオリーですが、それをどう使って何を描くかはフォトグラファーはしだい…、そしてそれが、写真を撮ってても楽しい、見てても楽しい、写真の魅力になると思います。
自然な子供写真のためのロケーション
Photo by kj
写真映えする場所、ロケーション。写真な写真を撮るための背景だったり空間もまた重要。
ロケーションはどこが良いというのもなく、自然な子供写真が撮れる場所であれば、そんなザックリした感じだと思います。家でもいいし、公園でも、撮影スポットはありふれてます。
外で撮影する写真、いわゆるロケーション撮影も人気です。単純に自然の木々や緑の中で撮影された写真は誰もが心地よく見えるでしょうし、外の開放感で子供も自然体そのもの。
単純に良いと思う、ただ良い写真を撮るのは室内で撮るより難しいと思ってます。
一見誰が撮影しても違いがないように見えるロケーション撮影こそ一番違いが出る写真。というのもやっぱり光がまずは難しい。難しいし、扱いづらい。
子供写真を撮ろうと思っても、子供用のサイズに背景がつくられているわけでもないから、なかなか全体をうまく合わせずらい…。
でもそれが上手くいくととても素敵な写真になります。家族写真は、尊敬しているフォトグラファーの方に撮影してもらったもの。
ロケーション撮影、外での撮影はやっぱり、スタジオの室内空間とはまた違って、自然な子供写真という点においては魅力がいっぱい詰まってます。
自然な子供写真のための距離
距離というのは、フォトグラファーと被写体の距離。とどのつまり、一番ここだと思います。
ありのままとか、自分らしさとか、自然な姿とか、それを誰に見せるのか、どういう人に見せれるのか、ここがポイント。フォトグラファーはこのキョリが重要。
極端に距離がない0にするということではなくて、たまには思いっきり自分の存在が消えるかのごとく思いっきり距離をとったり、はたまたその逆に思いっきり縮めてみたり、人の写真を人が撮影してる以上は、この距離はものすごく重要です。
慣れている人には見せれる笑顔も、出会って間もない人の前ではなかなか難しい…。距離。距離感。
自然な子供写真を撮るために一番意識してることは、なんだかんだでこの部分かもしれません。
入っては出たり、出たりは入ったり。それが必ずできるかというよりも写真を撮るときに頭にあります。子供は大人よりもすぐに空間を察知します。
だからこその【間】。それとタイミング。それが大切だと思います。