Photographer Mizuno
「光が見えるためにどうすればいいですか?」
写真の相談を受けるときに圧倒的に多いのが光についての悩みです。
フォトグラファーは写真を始めてからぶつかる壁に、光の読み方があります。
【どうすれば綺麗な光が見えるようになるのか?】
自分自身も写真を始めて間もない頃はずっと正解が分かりませんでしたが、数年ほど写真をやってみると光というものについて少し語ることができるようになります。
光について少し語るのであれば、【光はつくらないとみることができない】、そう思っています。
光が見えないというのは、綺麗な光のバリエーションを自分が知らないことを意味します。
綺麗な光のバリエーションというのは綺麗な光の当たり方を理解することで、おそらくこのバリエーションというのは無限にあります。
光をつくるというのは、あえて自分でつくるということです。
ノーブレムの写真はあえてつくることをしません。つくることをしないというよりも、窓から入る自然光で撮影できてしまうため、光をつくるというよりも、【今ある光で綺麗な場所を瞬間的に見つける】、このように【光を探す】ことに注力します。
この光が探せること、というのが光が見えることを意味するのですが、同じ条件・環境の中で光を見ることに注力していても、当たり方が変化しないので、バリエーションが強化されません。
綺麗な光が見えるというのは、感性・感覚の問題ではなく、その筋力が強化される必要があり、その反復作業の繰り返しで培われます。
だからストロボが効果的です。
つくることで、光の量による違いを知ることができます。
つくることで、光の質による違いを知ることができます。
つくることで、光の方向による違いを知ることができます。
ノーブレムのマニュアルにもあるとおり、光を見るというのは量・質・方向を見ることを指します。
レシピがあったとしてもつくることは簡単なことではなく、失敗の量を重ねます。フォトグラファーとしての、純粋な探求心だけが支えとなり、失敗に挑みます。
ただつくることができるようになったら、また一つ表現できることも増え…
0から1を作つくりだせるのだとしたら…
やはりこの創造の過程は、フォトグラファーとしての醍醐味の一つなのではないかと、そう思います。