空気感がある写真
そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
今回はそんな”空気感のある写真”について、空気感ってなに?どうやって撮るの?という疑問を解説していきたいと思います!
空気感(くうきかん)とは
芸術表現に用いられる表現のひとつ。
人や場所、質感、温度、印象等の雰囲気を指す。
雰囲気を表す総評を”空気感”と呼ぶのですね。
なぜ私たちは写真で”空気”を感じることができるのでしょうか。
その時の感情や温度、湿度、匂い、というものは目に見えなくて、形もなく、曖昧なものです。
カメラはそこにある現実しか写せないはずなのに、目に見えないはずの空気が写るなんて不思議ですよね。
最初のお話は私たちが見ている世界、瞳の話になります。
少し難しくなりますが、ぜひついてきてくださいね。
この文章を読んでいるあなたはこの文字を「見て」います。
それと同時に「見て」いない端の文字やアイコンや画面の周辺の景色まで目に入っているのではないでしょうか。
人の視界の仕組みは中心部にピントが合っていて周辺はぼんやりとしています。
それこそが答えであり、空気感を作り出すのに必要な要素なんです。
以上の説明をまとめて、空気感のある写真を説明すると
レンズの特性であるボケを使って、意図的に主役にピントを合わせて周辺はぼんやりとさせて撮った写真
といえるのではないでしょうか。
ではそんな写真を撮る為にどうすればよいのでしょうか?
表現方法は様々ですが、今すぐ簡単に試せる方法をお伝えします^^
単焦点レンズを使う
単焦点レンズとは、焦点距離(画角)が固定されているレンズです。
単焦点レンズのおすすめはこちらの記事にも書いてあるのでぜひ読んでみてくださいね!
https://www.noblem.jp/news/861/
とにかくF値を最小値まで下げて撮ってみましょう。
F値を下げる事で、ピントが浅くなりボケ味のある写真を撮ることができます。
このように、F値を下げて見せたいものにピントを合わせて撮影すると周辺のボケ味は強くなり
先ほどの人がみている視界に似た写真を撮ることができます。
これはF1.2で撮影しています。F値が低くできるレンズもいまはたくさんでているのでぜひ試してみてください!
前ぼかしを入れてみる
前ぼかしとは被写体とレンズの間にレースやガラスなどの不透明なものを一枚挟み込むことによって
ふんわりと柔らかいボケを意図的に作るという撮影方法です。
この前ぼかしを入れ込むことによってふわっとした印象の写真をつくることができます。
カメラと被写体との間に何かあることによって、曖昧さだったり客観的な視点を表現することができます。
レースやビニール袋、ガラス、アクリルなど素材によって前ぼかしの形も変わってくるので色んなもので試してみてくださいね!
前ぼかしの説明は
「エモい写真」ってなに?初心者でも簡単な撮り方について解説!
https://www.noblem.jp/news/2383/
にも書いているのでぜひ見てみてくださいね^^
わざとピントをずらしてみる
普段撮影するときにAF(オートフォーカス)モードで撮影している方は、MF(マニュアルフォーフォーカス)にして撮影してみましょう。
- AF(オートフォーカス)・・・オートフォーカスとは、ピントを被写体に自動的に合わせるカメラの機能
- MF(マニュアルフォーカス)・・・マニュアルフォーカスとは、カメラに任せずに手動でピントを合わせる機能
ぼーっとしているときに、どこかを見ているようで見ていないような自分がどこをみているのかわからない時はありませんか?
その時は考え事をしていたり何も考えていなかったりと内側の自分を見ている時だと思います。
これはあえて主役からピントを意図的に外すことで、主役に興味を引かせ心情や雰囲気を想像させる技法です。
わざと外す場合、ピント点は自由に決めて撮ってみるのが良いです。
これは手前の窓枠にある絵にピントを合わせて奥にいる主役の心情を考えさせられる、雰囲気にあふれた一枚ですね。
フォトグラファーが選ぶ、おすすめのレンズはこちら
では最後に、雰囲気を作り出すのに特におすすめするレンズを2つご紹介いたします!
空気まで写るといわれるカール・ツァイス (Carl Zeiss) レンズ
カメラが好きな方はカールツァイスという言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
カールツァイスはドイツで生まれた170年の歴史があるカメラレンズメーカーです。
この世界的に有名なツァイスのレンズは「空気まで写る」と呼ばれており、非常に描写力が高いと言われています。
カールツァイスの良さとは
- F値を開ければふんわりとやわらかさが表現できる
- 絞ればキッチリと鮮明な描写になる
- 1本でできる表現の幅が広い
- ボケ味が絶妙に美しい
- コントラストや色の階調がなめらかで自然
とにかく描写力が良く、空気感を出してくれる優秀なレンズです。
オールドレンズ
オールドレンズとは、フィルムカメラ時代に作られたレンズです。
今のデジタルカメラにあるAF(オートフォーカス)機能がなく、すべてMF(マニュアルフォーカス)で撮影するレンズです。
大体のオールドレンズは彩度とコントラストが弱いので柔らかな描写になる特徴があります。
オールドレンズはデジタルとは違い、歴史があるレンズです。
様々な種類がありますがレンズによって光の入り方や色合い、風合いが違います。
インスタグラムやインターネット検索でオールドレンズと検索すると様々な写真がでてきますので、自分に合ったレンズを探すのも醍醐味ですね。
今だと中古カメラ屋さんやネットでもオールドレンズを手に入れることができます。
しかしオールドレンズはその名の通り、昔から使われているレンズなのでそれまでの保管状況によってレンズ状態が様々です。
ご購入の際にはよく吟味した上で購入いただくようにご注意ください。
最後に
今回、空気感のある写真のテーマでしたがいかがでしたでしょうか?
映画や絵画、小説など好きな雰囲気を読み解いて作ってみたり、普段自分なりに感じた雰囲気をぜひ表現してみてくださいね!