望遠レンズについて
いつもスタジオノーブレムのコラムをご覧頂きありがとうございます。
一眼レフにはまっていくと色々なレンズが欲しくなってきませんか?
一眼レフの醍醐味は撮影用途でレンズを変えれることです。
色々なレンズがあるなかで、【望遠レンズ】もその選択肢の一つではないでしょうか?
【望遠レンズ】の知識があまりなく、その名だけ聞くと、遠いものを写すレンズのように思ってしまいますが、それだけではありません。
プロの私たちからすると【望遠レンズ】を使いこなせるようになると、一眼レフがとても楽しくなります。
望遠レンズを購入する前に、まずは【望遠レンズで何ができるのか?】、【どんな写真が撮れるのか?】をきちんと理解してからでも遅くはありません。
こちらの記事では望遠レンズの知識や望遠レンズで撮影できる写真など、最後はおススメのレンズもご紹介させて頂きます。
是非こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
望遠レンズの特徴その1|焦点距離が長い
望遠レンズは他のレンズと比べ焦点距離が長いので、遠くの被写体を大きく写すことができます。
野球場やサッカー場にいるスポーツ選手を撮影するカメラマンなどがつけているレンズのほとんどが望遠レンズです。
選手に近づいて撮影することができないので、焦点距離が長い望遠レンズを使用して撮影をしています。
焦点距離は長いもでは500mmや600mmのものまであり、このくらいの焦点距離だと、肉眼では見えないものも写すことができます。
実際にプライベートで人を撮影したりするのであれば、200mmくらいでも十分な望遠の効果を発揮できます。
スタジオノーブレムで使用している望遠レンズの最大焦点距離も200mmです。
望遠レンズの特徴その2|画角が狭くなる
レンズの特性として、焦点距離が長くなればなるほど、画角が狭くなります。
画角とは映り込む範囲のことで、同じ被写体を同じ大きさで撮影したとしても、その背景は望遠レンズの方が狭く、広角レンズの方が広く写ります。
プロはこの画角の範囲(広いか狭いか)をうまく利用して撮影します。
画角が狭くなるとどこかマイナスな印象を受けるかもしれませんが、全くそうではなく、画角が狭くなる分、背景処理を行いやすくなります。
【写真は引き算】と呼ばれますが、これは画角の中に、【自分が写したいものだけを写す】ことを意味します。
写したくないもの、意図していないものを写してしまうと、写真は悪くなります。
画角が狭いというのは、映り込む背景も狭くなるので、余分なものは映り込まず、写したいものだけを写すことができ、写真がとてもシンプルで綺麗になります。
【望遠レンズの写真はシンプル】です。
そのため人物を際立たせて表現したいポートレート写真は、望遠レンズがとても重宝します。
望遠レンズの特徴その3|独特のボケ・圧縮効果
望遠レンズが人気の理由の一つに、【望遠レンズの独特のボケ】があります。
望遠レンズ(焦点距離が長ければ長いほど)を使うと、望遠の最大の特徴の【圧縮効果】がでます。
【圧縮効果】というのは、写真に写っている被写体同士の距離感・遠近感がなくなることで、全てがペタッとくっついたように写ります。
遠くに写っている被写体も、押し寄せてくるように写ります。
またポートレート撮影の場合は、人物にピントを合わせて撮影しますが、望遠レンズは被写界深度(ピントが合う範囲)が浅くなるので、背景はダイナミックにボケます。
背景がダイナミックにボケることによって、人物は浮き上がって見えるように写されます。
この圧縮効果と独特のボケみが、望遠レンズの撮影を楽しくしてくれる最大の特徴です。
望遠レンズでつくる自分だけの世界
ここでは望遠レンズの魅力をもう少しだけ伝えます。
ボケだったり、圧縮だったり、画角の話であったり、これらは正直なところどの写真の参考書にも書いてあることです。
なので、もう少しだけ望遠レンズの魅力をお伝えします。
私たちは、望遠レンズの最大の魅力は【自分だけの世界をつくることができること】だと思います。
自分だけの世界というのは、皆が見えているものではなく、自分だけがカメラの目で見たもの、カメラの目でしか見えなかったもの、これを表現できるのが望遠レンズです。
この写真も200mmの望遠レンズを使いました。
この写真もカメラマンは被写体からかなり遠い位置にいます。遠い位置にいることで、カメラマンと被写体の女性の間にある綺麗な風景を圧縮して一枚の絵の中に閉じ込めています。
このような写真は望遠レンズでしか撮影できないですし、見た時の驚きやインパクトがとても大きいです。
圧縮効果をうまく使いこなせるようになると、望遠レンズで撮影するポートレートがとても楽しくなります。よ
望遠レンズでアートな写真を撮影する方法
- 前ボケになる素材を探す
- 被写体からできる限り離れて撮影する
被写体から可能な限り離れて撮影する
望遠レンズのポートレート撮影をうまく行うポイントとしては、できる限りまず被写体から離れて撮影をすることを心がけましょう。
50mmなどの標準の焦点距離での撮影に慣れてしまうと、いざ望遠レンズをつけて撮影をしよと思った時にも、自分がいつも撮影する立ち位置に慣れてしまっていて、なかなか望遠で撮影していないことが多いです。
例えば、70-200mmのような望遠レンズを装着していても、実際の撮影では80mmや90mmで撮影していることがあります。
そうしてしまうとなかなか圧縮効果やダイナミックのボケといった望遠レンズの効果を得ることができないですし、せっかくのレンズが意味をなしていません。
望遠レンズに慣れるためには、そのレンズの最大焦点距離を使って、その焦点距離で撮影できる位置までカメラマンが距離をとってさがりましょう。
これは私たちのフォトスタジオでも、望遠レンズを使用する時の訓練として行っています。
実際にロケーションなどで200mmを使用して撮影すると、カメラマンは被写体に声が届くか届かないくらいの距離感になります。
望遠レンズでポートレート撮影をするためには、まずは今までよりも被写体と距離をとって撮影することを頭に入れましょう。
カメラマンと被写体の間に入れることができる【前ボケ】を探す
次に被写体と距離をとったら、そのまま撮影するのもいいですが、前ボケになる素材を探してみましょう。
被写体と距離を長めにとることによって、色々な素材を前ボケなどに利用することができます。
例えば、太陽の光が当たっている葉っぱごしに撮影をして、玉ボケを入れてみたり、咲いている花を前ボケにして写真に色を入れてみたり、望遠レンズでは色々前ボケがやりやすいです。
【前ボケの層】を何層にもわたって写真に入れることで、肉眼では見えない写真ならではの景色が現れます。
何を前ボケにして、どのように自分が配置するのかというのが、カメラマン・フォトグラファーの感性感覚が現れるところでもあります。
望遠レンズを選ぶ時のポイント
望遠レンズを選ぶ時のポイントですが、スペック(仕様)よりもまずは下記のことをポイントにしてみてください。
- 最大焦点距離
- 手振れ補正がついているか
を基準に選べばいいのではないかと思います。
自分が使う焦点距離を決める
まず自分が撮影をしようとしている被写体やシチュエーションに合わせて必要な焦点距離を決めてみてください。
野鳥や動物など、被写体が遠い場所にいてカメラマンが近づくことができないようなシチュエーションであれば、300mm以上の焦点距離が必要になってくる場合もあります。
人物を中心にポートレート撮影で使用したいという場合でしたら、私たちの感覚では200mmまであれば十分望遠レンズの特徴を活かしながら撮影を楽しむことができると思います。
まずはどの程度の焦点距離まで必要なのかを、撮影する状況・シチュエーションに合わせて決めてみましょう。
スペックだけを意識しすぎてしまうと、実際に自分の撮影では使用しないくらいのハイスペックなレンズを購入してしまったり、宝の持ち腐れになってしまいます。
写真は【良い機材を選ぶ】のではなく、【自分が撮影する内容に対して機材を選ぶ】ことがいいと思っています。
なるべく手ブレ補正があるレンズがおススメ
望遠レンズは通常のレンズよりも長さも長く、重さも重たくなります。
手持ちで撮影すると重さによってしっかりと持つことができなかったり、シャッターを押した瞬間ブレてしまうことがよくあります。
手持ちで望遠レンズの撮影をして、手ブレないで撮影することは、腕力などもいるのでかなり難しいです。
とくに女性は持っているだけでも大変だったりします。
ポートレートで撮影する場合は、カメラを三脚につけて撮影するよりも機動性などを重視して手持ちで撮影することが多いです。
そのため手ブレが起きないように手振れ補正がついてる望遠レンズを購入することをおススメします。
その他
あとはF値などを自分がどこまで使用したいかで最終的にはレンズを選択すればいいかなと思います。
F値が明るいレンズはやはり高額になるので、お財布と相談して決めましょう。
おすすめの望遠レンズ キャノン
EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
こちらはLレンズではなくノーマルレンズです。
ノーマルレンズなので、価格もリーズナブルになっており、まずは望遠レンズを試してみたい初心者の方にはおすすめです。
手ブレ補正の機能はありますが、焦点距離んいよって使用できるF値は変わります。
明るさはそこまでありません。
EF70-200mm F4L IS II USM
こちらはLレンズの70-200mmです。
ポートレートなどにも最適な焦点距離です。
EF70-200mm F2.8L IS III USM
こちらもLレンズの70-200mmです。
先ほどのレンズと焦点距離は同じですがF値が違い、こちらはF2.8で明るい分、値段も10万程高くなります。
F2.8にするかF4にするかとても悩むところではありますが、もし奮発できるのであれば明るいレンズ(F2.8)を選択しておけば間違いはないですし、一生もののレンズにはなります。
RF100-400mm F5.6-8 IS USM
リンク
おわりに
本日は望遠レンズの魅了からおすすめのレンズをご紹介させて頂きました。
是非皆様の写真生活の参考にしてみてください。